メンタルトレーニングの「ABC」を教えてくれた本。
また日が空いてしまいました。やれやれ(村上春樹ちっく)
仕事で割かし参っちゃってまして。成果ベースでは最近成長出来てないし、人間関係もなんとなくうまくいってないような。みたいな。なんだかんだ普通に生きてましたけども、悩んだりしてました。
僕の習性として、というか思考の傾向として、ひとつのことをぐんぐん考えていくところがあるんですよ。まっしぐらに。
それがいいときもあります。例えば、論理的に解決できる問題について考える場合には、とにかく論理を発展させていけば答えに辿り着くことができるので、その点では偏差値高い気がする。
その一方で、悪いこともとことん考えようとしちゃう。どうしてこうなった、問題は何なのか、明日から予想されることは何か(悲観的)、それを改善させるためには…みたいな。別にこれが悪いことではないんでしょうけれど、人間関係とか仕事なんて一朝一夕に好転するなんてなかなかないですよね(僕だけかも)。だから考えに考えてもうまくいかない、なんとかしなくちゃ、必死に考える、だけど現状は変化しない。メンタルはどんどん擦り減っていくばかり。。で、最近は悪い方の面が特に目立ってるから、参ってるわけなんです。
あー困ったなーやれやれだなーと思いながら、休みの日には漫画はもちろん、新刊の書籍を買いあさっては読みあさってました(こういうときに現実逃避できるシェルターがあるのはとても良いことだと実感しました笑)。その中にこんな本がありました。
斉藤孝先生の「複線思考術」っていう本。新刊だと思われ。
こういう思考系の本は、まあ得るものなんてほとんどないだろうとは思いつつも、1ページでも収穫があれば儲かりもんだろうという気持ちでいつも買うんですね。正直期待して買ったわけじゃないんです、変な話ですが。
さらっと流して読了してしまおーと思って読み進めていったわけですが、お察しの通り、かなり良かったんです、これ。
すっげー端的に要約すると、「ものは考えよう、それを忘れるな」っていう話をしてくれてるわけです。それを、仕事、人間関係、勉強などなど、色んなシーンで使えるんだよってことを例示しながら教えてくれる。
たとえば、誰かと会話をしてるとしましょう。その時、「単線」、つまりは1本道の思考しか出来ない人は、とにかく相手の会話に集中して、理解することだけに努めて、相手が話し終わってからこちらの発言を考える、となる。一方、「複線」の人は、相手の話を理解するのはもちろんですが、相手の発言を聞きながら、同時に話し終えた後の反応を考えておくことができるのです。これが「単線」と「複線」の違い。これを発展させれば、自分が言いたい事だけを考えるような「単線」ではなく、相手が求めることに応じながら自分の意見を伝えていく「複線」思考ができるようになるんですよー、みたいなことを言ってる。つまりは「複数の観点から物事を考えるコツ」を伝授してくれる。
これ、ついさっきまで悩める子羊状態だった僕には効果てきめんで、ああなるほど、僕はついついメンタルのことになると「単線」的になってしまっていたんだな、と腑に落ちたんです。
悪いことを、徹底的に考えて行こうとすることが、思考としては正しい振る舞いだろうと信じて疑わなかったのですが、どうやら違うらしいと。「落ち込んでる自分、泥沼にはまりこんでる自分」という存在を、客観的に見る視点を持つこと。そうすれば、悪いことにずぶずぶと飲み込まれてしまっている状態から、客観的な視点を持った、ニュートラルな自己に立ち戻ることができる。それ通りに本に書いてあったわけでは無いですが、自分のケースに当てはめるように複線思考を行ってみると、本当に気が楽になったんです。
たった一つの考え方で、ここまで気が楽になるということに、ただただ驚きながらブログを書いてる状態。すげえ。
きっと心にも身体と同じように「重心」があって、ストレスフルな方に重心が寄ってしまうと、楽しいことがあっても反応できなくなる。余計にストレス状態から回復することが難しくなるんでしょう。だから一度客観的な状態に戻る、つまり「重心」をニュートラルな状態に戻してあげることで、刺激をありのままに受け取ることができるようになるんだろうな、自分の体験を振り返って、そんな発見がありました。
本ってすごいなあと、改めて思わされた一冊です。
ではでは!