【感想】「ロリコン」「ゴスロリ」の由来?生みの親?-ナボコフの「ロリータ」を読みました
どうもです(・∀・)
2月も中旬に入り、朝方は布団にくるまっていても寒いなあと感じます。
春のうららかな陽光が待ち遠しいですね!
ではでは早速今日もご紹介していきます!
「ロリータ」ファッションの生みの親!?
今日はナボコフの「ロリータ」という小説を紹介しちゃいます!
「え、ロリータって、”ゴスロリ”とか、”ロリコン”とかっていう時の、あのロリータ?」
って言う方もいらっしゃるかもしれませんが、、
その通りです!!(バンッ
タイトルからもわかるとおり、この物語には「ロリータ」が登場します。
ロリーター本名ドロレス・ヘイズーはアメリカに住む13歳(物語が何年にも及ぶので初回登場時点での年齢です)の少女でですね、主人公の中年男性がこの少女に劇的な恋をするんですね。
この小説に出てくる少女があまりにも有名になったため、「少女らしく可愛いファッション」のことをロリータファッション、そこから更にゴシック(ゴシック小説からの影響が大きく、死や恐怖などといった陰鬱なイメージを催すようなものとして認識されていますね)スタイルとの合体で「ゴスロリ」が生まれ、そして本作の主人公ハンバートのような少女異性愛者を「ロリコン」というようになったのです。
ちなみに、ゴシック様式と今のゴシックはあまり関係性は無いようですねー(´・ω・`)
この小説が出版されたのが1950年代末のことですから、現代に至って、しかもロシア(アメリカで執筆されていたはずですが)から遠く隔たる日本において、「ロリータ」という言葉がもはや定着しているというのは驚きです。
ひとえにこの小説の力、魅力によるものだと言ってもいいのかもしれません。
あのキューブリックによって映画化までされていた!
実はこの作品、時折官能的なシーンも登場する(誤解して頂きたくないのは、決してそれが主題の物語でもなければ、殆どそんなシーンはないということです)のですが、1962年に映画化されてるんです。
勿論DVDもあります。(笑)
しかも、メガホンを取ったのは「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」で有名なスタンリー・キューブリック!!
僕はまだ未見ですが、早くTSUTAYAにレンタルしに行こうと思います(笑)
そうそう、最近になって(と言っても20年ほど前ですが)また「ロリータ」制作の話があったようなのですが、その時に「ロリータ」役としてオファーされたのが....
なんとナタリー・ポートマンだったようですね~!
ちょうど「レオン」人気もあったころなので、「ロリータ」的アイコンとして使うにはもってこいの役者だ!という制作側の意向があったのでしょう。
ま、拒否されてしまったみたいです(笑)。残念。。
展開で魅せるのではなく、場面場面で魅せる作品!
前置きが長くなりすぎました。。紹介したい逸話に欠かない作品なので、つい。(笑)
肝心の中身ですが、決して読みやすい作品ではないと思います。
ナボコフが後書きで述べているように、刊行当初から「筋がない」だとか言う理由で途中で読むのを辞める人というのは一定数いたようですから、やはり現代のエンターテイメント作品-わかりやすいキャラクターがいて、わかりやすい構成で、波乱の展開があり、最後はしっかりカタルシスを提供してくれる-に慣れ親しんでいる読者にとっては「つまらない、長ったらしい」作品かもしれませんね。
そして同時に、小説の中身にある思想だとか、人生に有益な箴言を探し求めるような真面目な読者に対しても、それほど刺さる作品だとは思えません。先ほども述べた通り主人公はまさに「ロリコン」な訳ですし、ヒロインのロリータもなかなかにぐれた子供なので、参考になるような倫理観などはほぼ登場しないことを保証します。(笑)
展開も現代的娯楽小説に比べれば微妙、メッセージ性も微妙。。
それでも、この作品は50年ほど経った今でも世界中で愛読されて続けているのですから、何か重要なものがあるのでしょう。
それが何かを明らかにする、というのは話が大きすぎるので勿論避けて通りたいのですが、僕個人が本作を読んで「こういう部分もあるんじゃないか」と思ったことを紹介させてください(・∀・)
端的に言うと、
小説を絵画と同じように考えてもいいのではないか、
ということです。
この作品は500ページ強に渡るのですが、様々な場面が、克明な状況描写だったり、主人公やロリータの綿密な描写によって彩られています。そして繊細に構築された場面ひとつひとつに私たちは引き込まれていきます。筋ではなく、場面それ自体が素晴らしいのです。
絵画が絵の具・線・濃淡を媒体として何かを表現するように、小説もまた文字を媒体として何かを表現していることには変わりありません。そして、媒体をどのように使用するか、ということがその表現の美的価値を決定するということも変わらないと思います。その意味で、ナボコフが表現する情景というのは、しっかりとした価値を持っていると思います。
脱線ですが、海外文学って重厚なものが多いイメージがあります。
まだこのブログでは
しか海外のものを扱っていないのですが、筋が複雑だったり、描写が独特だったり、思想性が強かったり、いずれにしても読み応えのあるものが多い気がします。
まあ、そういうしっかりとした小説しか輸入されてこない、という面もあるのかもしれませんが(笑)
作者ナボコフの大人気文学講義!
ナボコフと言えば、最近では「ロリータ」よりもこちらで有名かもしれません。
書店で平積みされているのを見かけたこともありますから、結構な知名度はありそうです。
ちなみにこの本、良い読書、良い読者とは何か、ということについて書かれているので、勿論良い読者になりたい人、そして「書くことは読むことだ」という作家志望の皆さんにも読んでもらいたい一冊です。
機会があれば記事にしようと思います(´∀`)
それではまた!!!