「凍りのくじら」/辻村深月

『あなたの描く光はどうしてそんなに強く美しいんでしょう』 『暗い海の底や、遥か空の彼方の宇宙を照らす必要があるから。そう答えることにしています』 「凍りのくじら」は、主人公の理帆子が、そのような強く美しい光と出会うまでの話なのだ。 この作品に関しては、構成や技術や思想について、抽象的に・論理的に考えて…